おススメ漫画:蜜の島
蜜の島
作者 小池ノクト
珍しく漫画です。7seeds以来ですね。
でもこの漫画は本当に衝撃、かつ、日本古来の伝統文化や古代民族、伝承について、第二次世界大戦後の日本統治に奔走する役人さんからの視点なので、すごく近代的でもあり、内容が小難しい(?)という表現が当てはまるのかは分かりませんが、おススメです。はまる人にははまるでしょう。
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一応はですね、物語を分別するなら、「サスペンス」です。
が、驚くべきことなかれ、読んでいただければわかりますが、サスペンスとかもうそういうレベルじゃない、日本古来の暦の伝来・伝承に引き込まれるとんでもない考察されたストーリだと。小池ノクトさんの本はどれも好きですが、一番好きなのはこれですね。なんか機会があるとサクッと読み返してます。
【どんな人におススメか】
〇小難しい話が好きな人(頭空っぽにしてみる系では確実にない)
〇日本の古来の伝統の由来について興味がある人
〇心理学・社会学・人間行動学に興味がある人
〇そもそも日本の歴史に興味がある人
【あらすじ】
第二次世界大戦で親を失った「蜜(みつ)」を「生まれ故郷に連れていってくれ」と、亡くなった同士である友人に頼まれ、昭和22年、石津島まで彼女を届けに行く「南雲(ナグモ)」、そして、そこへ現れた政府のお役人「瀬里沢」。彼はアメリカのGHQの命令に従い、未だ存在さえ怪しいとされてきた石津島の実態を調査しに行く。しかし、そこで起こる不可解な連続殺人事件。果たしてその島はいったい。そして犯人はいったい誰なのか。
【感想】
そもそもこの話に感銘を受けたのは、とにかく物語に引き込まれる。そして読後感が素晴らしかったという点一つにつきます。正直、平安時代中国の漢字が伝わる前には、宗教や伝承は口頭で伝えられ続けていた。ではその土地土地の独特の文化が他と関わることなく独自に成長したら?実際日本とは、こんな国だったんじゃないかと、自然を崇拝し、あらゆることを受け入れ、あるがままに毎日を過ごし、人の死すら超越する。それを物語を通して書ききった(しかもたった4巻で)に、作者の素晴らしさを感じます。
ーーーーーーネタバレーーーーーー
【ネタバレ感想】
一番驚いたのは、物語の終盤に出てくる「私」という概念です。そうなんでよね。人は自分のことを「私」「僕」「俺」「自分」と呼称している点において、すでに客観性を持っている。自分のことを子どものころ名前で呼んでいた人いませんでしたか?私もそんな時期がありました。その人たちは「自己認識は=自分」なわけです。一歩離れた別の客観的視点において自分の中に存在する「私」という存在ではないわけです。その考え方に驚かされました。非常に勉強になる本でしたね。漫画だからといって侮るなかれ。 非常に良い経験をさせていただきました。